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  • 環境にやさしいプラスチック

    環境にやさしいプラスチック

    以下は、「環境にやさしいプラスチック」に関して記述します。

    環境にやさしいプラスチックの現状と課題

    プラスチックは20世紀初頭に発明されて以来、私たちの生活に欠かせない素材となっています。軽量で耐久性があり、さまざまな形状に加工できるため、包装材、家電製品、医療器具など、多岐にわたる分野で使用されています。しかし、その利便性の一方で、プラスチック廃棄物による環境汚染が深刻な問題となっています。特に、海洋プラスチックごみやマイクロプラスチックの影響が大きく、野生生物や生態系への悪影響が懸念されています。こうした背景から、「環境にやさしいプラスチック」の開発と普及が急務となっています。

    1. 環境にやさしいプラスチックの定義と種類

    「環境にやさしいプラスチック」とは、製造・使用・廃棄の各段階で環境負荷を最小限に抑えることを目指したプラスチックを指します。具体的には、以下のような種類があります。

    • バイオプラスチック

    バイオマス由来の原料を使用して製造されるプラスチックです。トウモロコシやサトウキビ、海藻などの植物資源を原料とすることで、化石燃料の使用を抑え、二酸化炭素排出量を削減することが期待されています。代表的なものに、ポリ乳酸(PLA)やポリヒドロキシアルカノエート(PHA)があります。

    • 生分解性プラスチック

    自然界の微生物の働きによって分解されるプラスチックです。適切な条件下で分解され、最終的に水と二酸化炭素に変わるため、廃棄後の環境負荷を軽減できます。PLAやPHAはバイオプラスチックであると同時に生分解性も備えています。

    • リサイクルプラスチック

    廃棄されたプラスチック製品を再利用して新たな製品を作るプラスチックです。リサイクルの種類としては、機械的リサイクル(粉砕・再成形)や化学的リサイクル(化学反応を用いて原料に戻す)があります。

    • オレフィン系バイオプラスチック

    ポリエチレンやポリプロピレンなど、従来のプラスチックと同じ特性を持ちながらも、バイオマス由来の原料を使用するタイプです。これにより、従来の設備での生産が可能となり、導入コストを抑えられます。

    2. 環境負荷削減のための取り組み

    プラスチックの環境負荷を削減するための取り組みは、以下のように多岐にわたります。

    • 原料の多様化

    バイオマス由来の原料を使用することで、化石燃料の使用を削減します。特に、再生可能な植物資源を活用することが重要です。

    • デザインの工夫

    製品の設計段階からリサイクルを考慮したデザインが求められています。たとえば、分解しやすい構造や、異なる素材の組み合わせを減らすことが効果的です。

    • 廃棄物の回収と再利用

    使用済みプラスチックの回収・分別・再利用のシステムを整備することが不可欠です。これにより、埋立処分や焼却処理による環境負荷を低減できます。

    • 新技術の開発

    生分解性プラスチックの分解速度を制御する技術や、リサイクル効率を向上させる技術の開発が進められています。これにより、より広範な用途での使用が可能となります。

    3. 課題と解決策

    環境にやさしいプラスチックの普及には、いくつかの課題が存在します。

    • コストの問題

    バイオプラスチックや生分解性プラスチックは、従来のプラスチックに比べて製造コストが高いことが多いです。この問題を解決するためには、大量生産によるスケールメリットの実現や、政府の補助金制度の導入が考えられます。

    • 性能の課題

    一部の環境配慮型プラスチックは、従来のプラスチックと比較して耐熱性や強度が劣る場合があります。これを解決するためには、材料開発のさらなる進化が必要です。

    • インフラ整備の不足

    生分解性プラスチックを適切に処理するためのインフラが整備されていない地域も多くあります。自治体や企業が協力して、専用の処理施設を増やすことが求められます。

    • 消費者の理解と意識向上

    環境にやさしいプラスチックを選択する消費者の意識を高めることが重要です。啓発活動や教育プログラムを通じて、持続可能な消費行動を促進する必要があります。

    4. 事例紹介

    いくつかの企業や地域では、すでに成功事例があります。

    • 企業の取り組み

    多くの企業が、バイオプラスチックを用いた製品の開発に取り組んでいます。飲料メーカーでは、植物由来のプラスチックボトルを導入し、循環型社会の実現を目指しています。

    • 地域の取り組み

    一部の自治体では、プラスチックごみの削減を目的とした条例を制定し、レジ袋の有料化やストローの使用制限を実施しています。こうした取り組みは、地域全体での意識向上にも寄与しています。

    5. 今後の展望

    環境にやさしいプラスチックの普及は、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップです。今後は、技術革新や政策支援、国際的な協力を通じて、さらなる発展が期待されます。また、消費者一人ひとりの意識と行動が大きな影響を与えるため、環境教育の推進も不可欠です。

    持続可能な未来のためには、企業・政府・市民が一体となり、環境にやさしいプラスチックの開発と利用を進めていくことが求められています。

    Since plastic was invented in the early 20th century, it has become an essential material in our lives. It is lightweight, durable, and can be processed into various shapes, so it is used in a wide variety of fields, including packaging materials, home appliances, and medical equipment. However, despite its convenience, environmental pollution caused by plastic waste has become a serious problem. In particular, the impact of marine plastic debris and microplastics is significant, and there are concerns about their negative impact on wildlife and ecosystems. Against this background, there is an urgent need to develop and popularize “environmentally friendly plastics.”

  • 世界の森林の動向

    世界の森林の動向

    世界の森林面積は1990年の41.28億haから、2015年には39.99億haに減少した(森林率では31.6%から 30.6%に減少)。なお、森林面積の変化は、農地など以前に森林でなかったところが植林等により森林になることによる森林の増加と森林が伐採され、農地等に転用されること森林の現象からなるプロセスである。この25年間において減少した1.29億haの森林面積は南アフリカの国土面積に匹敵する。森林減少の速度 は1990年代の年率0.18%から、2010年から2015年までの最近5年間においては0.08%にまで低下しており、 (760万haの減少と430万haの増加の差で年間の正味の減少面積は330万haである。大規模な森林減少が起こっているのは熱帯、とりわけ南米とアフリカであるが、最近5年間ではこれらの地域における森林減少速度 も大幅に低下してきている。世界の天然林面積は37億haで全森林の93%を占めているが、最近5年間では正味で年間650万ha減少している。(1990-2000年における純減は年間1,060万haであった。)世界の人工林面積は1990年に比べて1億500万ha以上増加している。なお、年間の増加面積は2000-2005 年に590万haでピークを迎え、最近5年間では、東アジア、欧州、北米、南・東南アジアでの植林の減少に伴 い、330万haとなっている。

    The world’s forest area decreased from 4.128 billion hectares in 1990 to 3.999 billion hectares in 2015 (from 31.6% to 30.6%). The change in forest area is a process consisting of an increase in forests due to the conversion of forests to forests due to afforestation, etc., and the phenomenon of forests in which forests are cut down and converted to agricultural land. Over the past 25 years, the forest area of 129 million hectares has declined, which is equivalent to the land area of South Africa. The rate of deforestation has declined from 0.18% per annum in the 1990s to 0.08% in the last five years from 2010 to 2015 (a net loss of 3.3 million hectares per year due to a decrease of 7.6 million hectares and an increase of 4.3 million hectares). Large-scale deforestation is occurring in the tropics, particularly in South America and Africa, but the rate of deforestation in these regions has also slowed significantly in the last five years. The world’s natural forest area is 3.7 billion hectares, accounting for 93% of all forests, but in the last five years it has decreased by 6.5 million hectares per year. (The net loss in 1990-2000 was 10.6 million hectares per year.) The world’s plantation area has increased by more than 105 million hectares since 1990. The annual increase peaked at 5.9 million hectares in 2000-2005 and has increased to 3.3 million hectares in the last five years due to a decline in afforestation in East Asia, Europe, North America, and South and Southeast Asia.

  • 世界の森林の変化で起こること

    世界の森林の変化で起こること

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    過去25年間での森林面積の変化

    世界の森林及び森林経営については過去25年間で大きく変化し、全体的に見るといくつかの進展があった。人口の増加、食料や土地に対する需要の拡大等により世界の森林面積は減少を続けているが、その速度は50%以上低下している。持続可能な森林経営に対する関心が高まっており、より多くの土地が永久林地として指定され、より着実に調査・評価・報告・計画作成が実施され、森林の管理経営に対する関係者の関与も高まり、また、世界各国において持続可能な森林経営のための法的枠組が構築されつつある。さらに、森林が供給する財やサービスへの高まる需要を満たす一方、生物多様性の保全のための地域に指定される森林の面積が増加している1)。

    しかしながら、効果的な動機や執行の伴わない施策や規制、非持続的な森林施業、林地の転用が引き続き存在するなど課題も残されている。世界の森林面積を把握するために広く用いられている世界森林資源調査(Global Forest Resource Assessment: FRA)によると世界の森林面積は1990年の41.28億haから、2015年には39.99億haに減少した(森林率では31.6%から30.6%に減少)。なお、森林面積の変化は植林等による森林の増加と森林が伐採され、農地等に転用される過程である。この25年間において減少した1.29億haの森林面積は南アフリカの国土面積に匹敵する。

    森林増減の状況とその理由

    森林減少の速度は1990年代の年率0.18%から、2010年から2015年までの最近5年間においては0.08%にまで低下しており、(760万haの減少と430万haの増加の差で年間の正味の減少面積は330万haである。大規模な森林減少が起こっているのは熱帯、とりわけ南米とアフリカであるが、最近5年間ではこれらの地域における森林減少速度も大幅に低下している。特に、南アメリカ、アフリカなどの熱帯の森林を中心に、減少面積が大きくなっている。一方、中国や インド、ベトナムを中心とした温帯林では、森林面積 が増加している国も見られ森林面積の増加と減少には、地域的な偏りが見られます。 国別にみると、2000年から2015年まで間に森林の減少が大きかったのは、ブラジル、オーストラリア、インドネシア、ナイジェリアなどである。こ の う ち、オースト ラ リ アの減少は 、2000年以降の深刻な干ばつや森林火災などが原因だが、ブラジル、インドネシア、ナイジェリアなどその他の国では農地への転用や燃料用の薪の過剰採取などが原因である。 特にアフリカでは木材需要の約9割が燃料として使用されており、人口増加に伴い、森林減少が進んでいる。

    一方、温帯地域の中国やインド、ベトナムなどのように、植林活動が活発なため森林面積が増加しているのも見られる。 世界の天然林面積は37億haで全森林の93%を占めているが、最近5年間では正味で年間650万ha減少している。1990-2000年における純減は年間1,060万haであった。世界の人工林面積は1990年に比べて1億500万ha以上増加している。なお、年間の増加面積は2000-2005年に590万haでピークを迎え、最近5年間では、東アジア、欧州、北米、南・東南アジアでの植林の減少に伴い、330万haとなっている。下記表1に世界の森林面積の推移を示した。

    木材生産量は1990年から2011年にかけてわずかに増加したが、特に発展途上国では薪炭材への依存度が高いままである。なお、2011年の木材生産量は30億m3で、内15億m3が薪炭材向けである。主に木材生産を重視する森林及び多目的の利用を重視する森林の面積が世界の森林面積に占める割合は、2015年においてそれぞれ31%、28%となっており、1990年からは、前者が1,340万haの微減、後者は 3,750万haの減少を示している。生物多様性の保全を主な目的として指定されている森林及び水土保全を目的として指定されている森林の面積が世界の森林面積に占める割合は、2015年においてそれぞれ13%及び31%となっており、ともに1990年から増加している。森林バイオマスの炭素蓄積量は、森林の転用や森林劣化等によりこの25年間で約110億トン減少している。世界の森林面積の96%が持続可能な森林経営を支援する政策や法令の対象となっている。2014年現在で112カ国が国家レベルの森林調査は継続中であると報告しており、そのほとんどが最近5年間にデータが更新されたものである。2010年までに世界の森林面積の半分以上において管理経営のための計画が作成されている。主に木材生産を重視する森林と保全を重視する森林の面積がほぼ半々となっており、また、水土保全に関する内容を盛り込んだ計画の森林面積が全体の半分以上を占める。

    森林の持続性指標は持続可能な森林経営に関する進展について調査・評価を行い、幅広い関係者に報告するための一貫した手法を提供する科学に基づく計測手段であり、森林の健全性を維持・向上させるために森林施業をどのように変更させる必要があるかを特定する上でも有用である。国連の持続可能な開発目標(SDGs)に向けた進展を把握するための森林関連の指標にも寄与世界の森林面積は約40.3億ヘクタールで、全陸地面積の約31%を占めている。しかし、世界の森林は減少を続けており、毎年520万ヘクタールが減少している( 2000 年 か ら 2015 年 ま で の 平 均 )。下記図2に1990年と2015年を比較した森林面積の正味の増減を示した。

    森林減少の影響について

    沢山の生物が暮していける豊かな環境と生物には欠かせないのは森林が作り出す酸素である。よって自然のジャングルや森には、様々な種類の植物や動物で構成された生態系があり、その中を通る川や地下水によって酸素を多く含んだ栄養分豊かな水が海へと流れ込む。海では陸地からの栄養分と酸素が様々な生物の生態系を助ける。海上では、雨を含んだ雲が生まれ、地球上の熱をコントロールしながらやがて雨や雪となって森林を潤す。森林と海の循環機能は地球上の温度と大気のバランスを保ってくれる炭素吸収源であり、大切な浄化システムとなっている。このシステムの機能が弱り、温暖化が進行する。地球のコントロールシステムでもあり、防衛機能でもある森林や海洋循環システムが、現在その力を急速に失っている。ここ数年、異常気象、生態系の破壊、地球温暖化、洪水、干ばつ、砂漠化など自然災害の増加などが起きている。その原因は、森林破壊や環境汚染など、人間が作り出している現在の地球環境である。特に温暖化は、地球の歴史上でもあまりにも急激に短期間で気温が上昇しているため、大変深刻な状況となる。

    森林減少への日本国の取り組み

    世界の森林は減少を続けており、地球規模の環境問題となっている。森林減少を抑制するためには、持続可能な森林経営を実現する必要があり、その阻害要因の一つとして、当該国の法令等に違反して森林伐採が行われる「違法伐採」が指摘されている。日本国では、平成18年4月1日から、いわゆるグリーン購入法により政府調達の対象を合法性・持続可能性が証明された木材とする措置を開始している。違法伐採対策を一層推進するためには、グリーン購入法に基づく調達方針を、法律の対象である国等に留まらず、広く地方公共団体や民間調達にも普及させていくことが重要である。しかし、環境省が平成19年に実施した木材調達のグリーン化に関するアンケート調査によると、森林減少、違法伐採問題は、国民の皆さんの関心が決して高くなく、このことが企業等の取組を促す上での障害の一つとなっていると考えられる2)。そのため、今後継続して一人一人が森林減少への関心を高めていく活動が必要となる。

    Changes in forest area over the past 25 years

    Global forests and forest management have changed significantly over the past 25 years, with some progress overall. The world’s forest area continues to decline due to population growth and growing demand for food and land, but the rate is declining by more than 50%. Interest in sustainable forest management is growing, more land is being designated as permanent forest land, more surveys, assessments, reports and planning are being carried out more steadily, stakeholder involvement in forest management is increasing, and legal frameworks for sustainable forest management are being established around the world. In addition, while meeting the growing demand for goods and services supplied by forests, the area of forests designated as areas for biodiversity conservation is increasing1).

    However, challenges remain, including policies and regulations without effective motivation and enforcement, unsustainable forest practices, and continued diversion of forest land. According to the Global Forest Resource Assessment (FRA), which is widely used to understand the world’s forest area, the global forest area decreased from 4.128 billion hectares in 1990 to 3.999 billion hectares in 2015 (from 31.6% to 30.6%). The change in forest area is due to the increase in forests due to afforestation, etc., and the process of cutting down forests and converting them to agricultural land. Over the past 25 years, the forest area of 129 million hectares has declined, which is equivalent to the land area of South Africa.

    The rate of deforestation has declined from 0.18% per annum in the 1990s to 0.08% in the last five years from 2010 to 2015 (a net decrease of 3.3 million hectares per year due to a decrease of 7.6 million hectares and an increase of 4.3 million hectares). Large-scale deforestation is occurring in the tropics, particularly in South America and Africa, but the rate of deforestation in these regions has also slowed significantly in the last five years. In particular, the area of decline is increasing, especially in tropical forests such as South America and Africa. On the other hand, in temperate forests, mainly in China, India, and Vietnam, forest coverage is increasing in some countries, and regional biases are observed in the increase and decrease in forest area. By country, the largest deforestation between 2000 and 2015 was seen in Brazil, Australia, Indonesia and Nigeria. The decline in Austria has been due to severe droughts and forest fires since 2000, while in other countries, such as Brazil, Indonesia and Nigeria, it has been due to the conversion of agricultural land and the over-extraction of firewood for fuel. In Africa, in particular, about 90% of the demand for timber is used as fuel, and deforestation is progressing as the population increases.

    About the impact of deforestation

    Oxygen produced by forests is indispensable for a rich environment and organisms in which many organisms can live. Therefore, natural jungles and forests have ecosystems composed of various types of plants and animals, and the rivers and groundwater that pass through them flow nutrient-rich water rich in oxygen into the sea. In the ocean, nutrients and oxygen from the land help the ecosystem of various organisms. At sea, clouds containing rain are formed, which control the heat on the earth and eventually become rain and snow to moisten forests. The circulation function of forests and oceans is an important purification system because it is a carbon sink that maintains the balance between the earth’s temperature and atmosphere. The function of this system weakens, and global warming progresses. Forests and ocean circulation systems, which are both the control system and defense of the earth, are rapidly losing their power. In recent years, there has been an increase in natural disasters such as extreme weather, destruction of ecosystems, global warming, floods, droughts, and desertification. The cause of this is the current global environment created by humans, such as deforestation and environmental pollution. In particular, global warming is a very serious situation because the temperature is rising so rapidly in a short period of time that it has never been seen in the history of the earth.

    Japan’s Efforts to Address Deforestation

    世界の森林は減少を続けており、地球規模の環境問題となっている。森林減少を抑制するためには、持続可能な森林経営を実現する必要があり、その阻害要因の一つとして、当該国の法令等に違反して森林伐採が行われる「違法伐採」が指摘されている。日本国では、平成18年4月1日から、いわゆるグリーン購入法により政府調達の対象を合法性・持続可能性が証明された木材とする措置を開始している。違法伐採対策を一層推進するためには、グリーン購入法に基づく調達方針を、法律の対象である国等に留まらず、広く地方公共団体や民間調達にも普及させていくことが重要である。しかし、環境省が平成19年に実施した木材調達のグリーン化に関するアンケート調査によると、森林減少、違法伐採問題は、国民の皆さんの関心が決して高くなく、このことが企業等の取組を促す上での障害の一つとなっていると考えられる2)。そのため、今後継続して一人一人が森林減少への関心を高めていく活動が必要となる。

    引用文献

    1)世界森林資源評価(FRA)2015– 世界の森林はどのように変化しているか –(第2版) 概要http://www.rinya.maff.go.jp/j/kaigai/attach/pdf/index-2.pdf

    2)環境省HP http://www.env.go.jp/nature/shinrin/index_1.html

  • 環境問題を防ぐためには

    環境問題を防ぐためには

    環境問題発生による外部不経済

    環境問題が発生すると市場の失敗をもたらす外部不経済によって死荷重が発生するため、政策立案者は環境政策を行う必要がある。いま、環境政策として、「直接規制」より「環境税」が望ましいとされる。

    環境税などの経済的手法の費用対効果、費用対便益は、規制的措置と比較して概して高い。対して、直接規制は、法規制を円滑に管理、運用するためには、組織や運用に係る費用を要するため、費用に対する効果が概して低い。

    環境税は一定の行為を法規制などにより強制するのでなく、経済的負荷を選択するか、あるいは選択しないかについての行為者の経済合理性に基づく選択の自由がある。汚染源が分散、小口、多様な場合は法規制の適用が困難であり、価格メカニズムを通じて幅広く政策目的を浸透できる。例えば、化石燃料の使用に対する税、自動車の保有税、廃棄物の収集・処理、水利用・汚水処理等の都市・生活型環境汚染などがある。

    直接規制では過度の法規制が経済の効率性を歪め、自由競争を阻害したり、産業の競争力を弱めたり、市場への自由な参入の障害となる場合がある。一方、経済的負担を軽減するために技術開発や生産方法の変更を行なうなど、環境負荷を低減するための努力を継続的に促すことができる。税率及び税と補助金の適切な組み合わせにより、環境負荷の高い製品、生産システム、サービスから環境負荷の低い製品、生産システム、サービスにシフトすることができるメリットがある。

    参考資料2 環境政策の各手法の特徴と有効性 OECDレポート

    https://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/plan/kento-team/ref08-2.pdf

    環境評価法はなぜ必要とされるのか

    環境問題は様々な経路で我々の生活に影響を及ぼす。政策立案者は、それぞれの環境問題を評価して、環境政策を実施することとなる。いま、顕示選好法や表明選好法と呼ばれる環境評価法はなぜ必要とされるのか、またその手法の違いは何か。

    環境評価法は人々の経済行動から得られるデータをもとに、間接的に環境の価値を評価する方法である。環境評価法には顕示選好法と表明選好法があり、それぞれメリット、デメリットがあるため、場合に応じて使い分けが必要となる。さらに分類すると代替法、トラベルコスト法、ヘドニック法がある。代替法は環境に相当する別の商品で置き換えた場合の費用をもとに、環境価値を推定し、直感的に分かりやすいが、私的財に置き換えられる場合に評価できる。トラベルコスト法はレクリエーションの価値を、旅行に要する費用を用いて対比評価する方法であり、評価に必要な情報が少なくて済むがレクリエーションに関係するものに限定される。ヘドニック法は緑地などの環境アメニティが地価や地代に与える影響を計測して、環境の価値を評価する方法である。地代や賃金などすでにある市場データが利用できるため、コストが抑えられる。適用範囲が地域的なものに限定され、都市部の環境財が高く評価されがちである。

    表明選好法は人々に環境の価値を直接ヒアリングする方法であり、仮想評価法が分類にあたり、環境改善や環境破壊に対して最大支払ってもかまわない金額や、補償が必要な金額を直接質問し、その金額から環境の価値を評価する。適用範囲が広く存在価値や遺産価値が評価可能であるが、アンケート入手コストがかかり、結果の差異が大きい特徴をもつ。

    環境問題としての地球温暖化

    環境問題は、気候変動のような地球規模で発生する問題から、ごみ問題のように我々の身近で発生する問題まで、多岐に渡っている。環境問題を1つ選び、その環境問題がなぜ発生してしまうのか、その問題にはどのような政策を行えば良いのか。

    環境問題の中から地球温暖化を選択する。地球温暖化は産業革命以降、石油や石炭などの化石燃料の使用量が増え、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量が増えていることが原因である。温暖化は地球の平均気温が上がることにより、海や地表から蒸発する水分が増加して大気中の水分が増えるため、台風やハリケーンの大型化や、雨量の増加などの地球規模で発生する異常気象、海水温の上昇による海水の熱膨張や氷河の融解による海水面の上昇が起こる。

    地球温暖化は急激な変化はなく、数十年規模で徐々にあることで人々は危機感を持たないことが問題である。また、海水面上昇は今は太平洋に浮かぶ島国など特定の一部の人にしか影響がない。問題の解決には法律による温室効果ガスの排出量規制を行うこと。世界の国で排出量の上限を設け、お互いを監視しながらその目標を守る。化石燃料の使用を抑えるために石油や石炭などの化石燃料に使用税をかけることなどにより、温室効果ガスの排出量を抑えることができると考えられる。また、義務教育からの指導等でこれは将来自分に関わる問題として教え、理解を深めることが最も重要だと考えられる。

    参考文献

    [1]全国地球温暖化防止活動推進センターJCCCAサイトより

    https://www.jccca.org/global-warming/knowleadge01