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概要
アリストテレスはギリシア北部のカルキディケ半島の町スタギロスで生まれた。彼の父がマケドニアのアミュンタス3世の侍医であったこともあり、若き日のアリストテレスは学問を探求するためにアテナイ(アテネ)に出された。そこで彼はプラトンと出会い、プラトンの生涯の終わりまでアカデメイアの構成員であり続けた。マケドニア王家との緊密な関わりがある点、政治的な盛衰がアリストテレス自身の経歴と、彼が創設した哲学の学派の歴史どちらも影響を及ぼすこととなった[1]。アリストテレスは知識を目的として探求される理論的な諸科学と、主にそれらから得られる諸利益を目的として探求される実践的な諸科学との間に根本的な差異があることを指摘している。ポリス(国家)は最高善を目的因とし、人間にとって本質的なものであると定義されている。また、アリストテレスは国家体制について言及している。公共の利益を考えるものが正しく、中でも共和制が最適であると述べている。以下これらについて述べる。
「理論的」と「実践的」科学
アリストテレスは「魂には二つの部分(メロス)があり、一つは理性(ロゴス)をもつ部分であり、他は理性を欠いた(アロゴン)部分である」。加えて、「しかし今や理性をもつ部分に関しても同じようにして、われわれは区分しなくてはならない」と述べている。それは、おおよその概念(アルケー)がそれ以外の仕方がないものごとを考察するための部分。それ以外の仕方において存在するものごとにかかわるものを考察する部分に分けられる。アリストテレスは知性や思考がなければ、選択はできないと考えるが、「思考それ自体は何も動かさないのであって、動かすのは何かを目指す行為的な思考なのである」とも述べている。これは知性や思考の優位性を認めているが、それだけでは何も変わらない。動かすのは、行為的な思考(実践的認識)なのである。無論、「制作的な思考」も、行為にかかわる思考によって支配されている。アリストテレスは諸科学を「理論的」と「実践的」の2つに分けている。知識を目的として探求される理論的な諸科学と、主にそれらから得られる諸利益を目的として探求される実践的な諸科学とのあいだに根本的な差異があることを指摘している。アリストテレスによって認められた理論諸科学には形而上学あるいは政治学、神学、数学、自然学、生物学、そして心理学が含まれる。中でも政治学はアリストテレスにとって優れて「実践的な」科学なのである。アリストテレスの倫理的および政治的な諸著作の文献としての性格の正当な評価という目的のためにも、そしてアリストテレスの思想における政治哲学自体の問題をはらんだ役割を把握するためにも、最初に必要なことは、実践的あるいは政治的な科学の範囲と意図をアリストテレスがそれを捉えていたとおりに理解することであるその能力は魂の理性的部分の科学的あるいは理論的な部分である。また、自然学が第1の学的知識
著書『政治学』のポリスと国家体制
アリストテレスの著作の中に『政治学』がある。この著作では「ポリスは、家族であれ、同族のものであれ、善く生きることをともにしつつ、完全で自足的な生を目的とする共同体である」と記述されている[3]。人間は善を目的因とする存在。ポリス(国家)は最高善を目的因とする存在。ポリスは人間にとって本質的なものであると定義され、ポリスは村落が集まって出来る最終の共同体あり、村落は家族の集合体である。また、ポリスは人間にとって本質的なもの、ポリスは人為的なものではなく、自然なものである。人間はポリス的動物でポリスは「市民」から構成されている。市民の定義としては裁判と統治に参加できるひとのこと(ここで奴隷は含まない)である。また、市民は徳に配慮をしなければならない。ポリスは単なる生活共同体ではなく、最高善を目的因とするためである。
アリストテレスは国家体制について言及している。王制、貴族制、共和制、僭主制、寡頭制、民主制があり、公共の利益を考えるものが正しいため、前3つの王制、貴族制、共和制が良いとしている。中でも共和制が最適であると述べている。民主制は貧困にあるひとたち(無産者)によって支配されるから裁判と統治に参加しているひとが国制の中心でなければならない。一般市民である大衆が最高の権限をもつべきである。アリストテレスは現代では当たり前になっているある年齢以上で持つ選挙権や、人が皆平等である権利がない古代において公共の利益を多くの人に持てるようにすでにその考えを持っていたことが驚きである。哲学者プラトンも考えは違っても哲学を通じて良き社会を作ろうという考えでした。彼は法律(ノモス)に従った政治に重きを置いており[4]、人間理性に基づく良き生き方の指針を作る。もう一つは財産の平等でした。必要最低限以上の欲望は財産をため込もうとし、奴隷を囲い人の自由を奪う。その後、現代も残っているが王制、貴族制が作られ、例えば、中世のヨーロッパに見られるフランス革命のように歪んだ制度は解体されている。これはアリストテレスが歴史を予言されていたようにも見える。
参考文献
[1] C・ロード著 アリストテレス 『政治哲学』第23号 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpp/23/0/23_3/_pdf
[2] アリストテレス著『政治学』p1139-1140
[3] 中畑正志著アリストテレスの哲学p80
[4] 納富信留 プラトンとの哲学p110
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