シナプスとは神経細胞ニューロンや筋細胞、腺細胞とのつなぎ目間の接触部をいう。シナプスはその形成部位にかかわらず、シナプス伝達の機構によって化学シナプスと電気シナプスに区別される。また、シナプスはその機能によってシナプス後ニューロンに興奮を生ずる興奮性シナプスと、抑制を生ずる抑制性シナプスに区別される。送り手側の神経細胞はシナプス前部においてグルタミン酸などの神経伝達物質を放出し、受け手側の神経細胞はシナプス後部にある受容体などで神経伝達物質を受け取ることにより細胞間の情報伝達を行う。この部分には,約150~200Åのシナプス間隙があり,シナプス小胞という構造がある。小胞中には化学伝達物質(神経伝達物質)が含まれていると考えられ,神経インパルスが終末部に到達すると化学伝達物質が放出される。これがシナプス後膜へと拡散し,この部分に含まれる受容体レセプターと結合。そこでの化学的開チャンネルを開き,それによってイオンが通過し,情報(信号)が軸索の末端まで伝わると、電位依存性のカルシウムチャネルが開く。流れ込んだカルシウム(Ca+)が、ニューロン内のシナプス前部のシナプス小胞にくっつき、細胞膜と融合する (袋が破れる)。 この時、シナプス小胞内の神経伝達物質が、シナプス間隙に放出される。次のニューロンの樹状突起にある受容体(レセプター)に出てきた神経伝達物質がくっつき、ナトリウムチャネルが開く。ナトリウム(Na+)が次のニューロンに流れ込み、それによって細胞膜内の電位が+になることで静止膜電位が上がる(脱分極)する。この時に見られる膜電位のことを、 特に興奮性シナプス後電位 (EPSP:ExcitatoryPostSynaptic Potential)という。もし、異なる種類の受容体(レセプター)に、神経伝達物質が結合し、塩素(Cl-)などの-のイオンが細胞膜内に流れ込んだ場合には、静止膜電位は更に下がる(過分極する)。この時に見られる膜電位のことを、特に抑制性シナプス後電位(IPSP:Inhibitory PostSynaptic Potential)という。
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